【完】君しかいらない

引き止めても仕方がないし、俺もあっさりそれに応じた。


「ばいば~い。夏休みが終わったら帰るね。それまで元気でね!」


くっそ~、一か月以上あんじゃん。


俺、愛梨ちゃん断ちしなきゃだな。


ま、電話はするけど。


「愛梨ちゃんも風邪ひくなよー!」


「ひかないよ。なんか、お母さんみたい」


しかも母親かよっ。


せめてお父さん。


いや…ま、どうでもいいか。


俺は愛梨ちゃんと別れ、自分が乗る電車がやってくるホームのベンチに座った。