【完】君しかいらない

「親父が倒れて…治療費かかるのもあるけど、こんな状況なのに、従業員が…売上金と通帳持ち逃げして…」


「そんな…」


「辛いことってさ…なんで一気に重なるんだろうな。この世に神様なんて、いないと思った…なんで俺だけこんな目に遭わなきゃなんないんだよ…」


俯いたあっくんの目から、ポタポタと滴が垂れてくる。


「警察には…?大丈夫だよ、すぐ見つかるよ」


「大丈夫…?何を根拠にそういうこと言うわけ?」


「え…」


「…愛梨は、いつもそうなんだよな。とりあえず、大丈夫…って言う。何が?待ってれば誰かが何とかしてくれる?

そうだよな…愛梨はいつもそうだよな…。周りがいつも助けてくれてた」