【完】君しかいらない

「うわ~、お弁当いらなかったのに!作ってくれたの?」


「いらないって、お昼どうするの?」


「そのぐらい、適当にするよ……。学食でパン買うとか」


「みんなお弁当だったらどうするの。はい、持って行きなさい?」


無理矢理手渡され、渋々カバンに入れる。


もー。過保護なんだから。


その過保護がウザいときだってあるんだからね?


「行ってきま~す!」


腕にはあっくんからもらった時計をしっかり身に付け、玄関を出た。


学校までの道は、引っ越しが決まってから何度も確認したし、


道路沿いに真っ直ぐ行くだけだから、さすがのあたしも大丈夫なはず。