【完】君しかいらない

「あっくんのお父さんって、確かどこかでお寿司屋さん経営してるんだよね。前に友達が、あっくんが出前してるとこ見たって言ってた」


そう…なんだ?


そんなことも、あたしは知らなかった。


あっくんのお父さんの仕事も、今、あっくんが何をしてるのかも…。


あたしはあっくんと、毎日何の話をしてきたの?


「しーちゃん…ごめ…ん。また、かけなおしていい?」


あっくんの身の上におこったことと、今まで何も知らなかったことのショックで、激しい動悸に襲われる。


「うん、いーよ。こんな話したから、あっくんと喋りたくなった?最近あたしらには冷たいけど、愛梨には前みたいな優しいあっくんなんだろーね。ちゃんと支えてあげなよ?」






ズキッ…。


あたしに心配かけまいとして、言わないでいてくれたのかな。


支えるどころか、あたし毎日『会いたい、会いたい』って、そんなことばっかり言ってた。