【完】君しかいらない

「なーんか、他人事っぽい発言!愛梨らしくないじゃん。愛梨のことだから、夏休みになったらすぐこっちに飛んでくるかと思ってた」


しーちゃんはちょっと声のトーンを落としてそんなことを言い出す。


「そりゃ、飛んで行きたいけど…」


お金もないし、あたしだってお盆過ぎるまで我慢してるんだから~。


「ま、しょうがないかぁ。当のあっくんがあれじゃーね…。愛梨、八つ当たりされたりしてない?」


「えっ、八つ当たり…?全然…」


そりゃね、最近ちょっとそっけないな…とは思うけど。


それは八つ当たりとは違うよ…ね?


「そっか~。さすがあっくん!愛梨にはそーいうの出さないんだね。最近学校でひどくってさ~。先生もちょっと手ぇやいてる」


「ひどい…って、何が?」


「あっくんのお父さん倒れちゃったでしょ?だから部活も辞めて、最近学校も休みがちだよ…。たまに来ても先生とモメてたりで、何か今までのあっくんと違う…」







え…。


あっくんのお父さんが倒れた!?


何、それ…。


あたし、全然知らない。