【完】君しかいらない

…なんだろう。


いつも冷たい安元くんが優しいと、変にドキドキしちゃうよ。


しかもこんな薄暗いし、表情がよく読み取れないから、余計に…。


いつもしかめっ面してたり、睨んできたりするから、あたしの方が先にビビっちゃったりするけど、こうやって声だけ聞いてると…


結構優しい声をしてるんだって…


初めて知った。





安元くんはあたしの前で背中を見せてしゃがみこんで、手をダランと横に下げる。


「ホラ、行くぞ?乗って」


「う…うん」


…やだな。


さっきは勢いでおぶってもらったけど、おんぶってかなり密着度高いよね…。


意識しだしたら何だか急に恥ずかしくなってきた。