【完】君しかいらない

お尻の位置がずり下がりそうになり、ギュッと安元くんにしがみつく。


「わっ!落ちるっ」


「落とすかよ…。ちょっと、目にゴミが入った」


安元くんはすぐに体勢を立て直したんだけど、肩で顔をゴシゴシとこすってる。


「…もしかして、泣いてるとか?」


「は?ちげーよ。マジで痛ぇ…。ちょっと降りて…」


安元くんは、あたしをそっと地面におろすと、手の甲で目を拭っていた。






俯いてるから涙が出てるのかとか、そういうのはわからないけど……。


安元くんのデリケートな部分に触れたのは、事実。


春奈への思いは、こんなに深いのに…それをうまく表現できなくって。