【完】君しかいらない

「や…ヤダ。やめて…」


ズリズリと、後ろへずり下がる。


「俺もあんま気ぃ進まないんだけど、しょーがないの。諦めな」


「気が進まないって…だったら、やめましょ!?」


「大丈夫、ちょっとココに傷つけるだけだから」


…ひぃっ!!!


男はあたしの頬に、ピタピタと冷たいナイフの刃をあてた。


傷!?


「なっ、何の為にそんなこと…」


「恨み買っちゃったからしょーがないよな。自業自得」


「…恨み!?あたし、人に恨まれる覚えなんてないですっ」


「そーか…まぁ、いいわ。ゴメンな?俺を恨むなよ?お前らそっち押えてて」


男が他の人たちに指示すると、あたしは両手を押えつけられた。


「や…っ、嫌ーっ!!!!キャーッ!!!!」


大きな声を出すけど、山の中に声が吸い込まれていくだけで、何の音も聞こえない。