【完】君しかいらない

だけど、安元くんの言葉に動揺したのはあたしだけじゃなかったみたいで…。


「うっ…う…」


え…。


春奈は、あたしたちが見てる前で、静かに泣き始めてしまった。


「ちょっ…ちょっと、春奈、大丈夫!?」


あたしが近寄ると、軽く手で制された。


「愛梨…大丈夫。大丈夫だから…お願い、あんまり大きな声出さないで?みんなに聞こえちゃうから」


必死に涙を止めようとしていて、ハンカチで目をこすってる。


「春奈…?」


「ゴメンね、愛梨…。今は、言えない…。すぐ…泣き止むから…待ってて」


春奈はあたしたちにに背を向け、俯いてジッとしてる。


あたしはどうしたらいいのかわからず、オロオロ。


安元くんは相変わらずシレッとしてるし、奏太くんは気まずそうに、足元の土を軽く蹴っていた。