【完】君しかいらない

緊迫した雰囲気を壊すような、奏太くんの軽い喋り方に、今はとっても救われた。


「ありがと…」


「ついでだから、どーぞ」


奏太くんは、春奈にそういって、ジュースのペットボトルを一本手渡した。


もちろん、安元くんにも。


春奈は無言で受け取り、ペットボトルの蓋を開け、言いたい何かを飲み込むかのように、ジュースを喉へと流し込んでいく。


あたしたちが無言でいる間にも、クラスのみんなは山田先生とその彼女を囲んで盛り上がっていた。


先生の隣に立つ彼女は、幸せそうな顔で微笑んでる。


あたしの予想が正しいとすれば…


山田先生の隣で笑ってるのは…


もしかしたら、春奈だったかもしれないんだよね。