【完】君しかいらない

「さっきの子と友達なの?」


エレベーターの中でお母さんが聞いてくる。


「ううん。今日しゃべったお隣の男の子の友達なんだって」


「お隣?あら、いつしゃべったの?パパ、お隣って……」


お母さんがお父さんに話を振ってる。


「確か息子さんが、愛梨と同じ年だって言ってたな。部長は凛々しいからな……。息子もかなりのイケメンだったろ?」


へ~。パパの会社の人の息子なんだ?


「うん、カッコ良かったよ!だけど、あっくんの方がいいかな~」


「おい、ノロけるなよ」


お父さんに小突かれ、よろけそうになってると、お母さんに支えられた。