【完】君しかいらない

つーか、ホントに真面目なんだけど。


そんな陽斗の友達が俺だってことに、愛梨ちゃんの母親は、信じられないとでもいったような表情で俺を見てる。


「とにかく上がって?エアコンつけるから、体温めるといいよ」


愛梨ちゃんが俺の腕を引っ張る。


「まぁっ!ずぶ濡れじゃない…大変!愛梨、エアコンよりシャワー浴びてもらった方がいいんじゃない?」


「えーっ、だって奏太くん風邪ひいてるんだよ?」


「だったら尚更。このままでいた方が風邪ひどくなるわよ?着替えはお兄ちゃんのがあるから、後で出しておくわ」


愛梨ちゃんの母親は、さっきとは違った感じでにっこりと微笑んでくれた。






「…じゃあ、お言葉に甘えます。すいません、突然来て…」


俺は何だか目を合わせるのが恥ずかしくなって、フイと逸らすと、案内された風呂場へと移動した。


何だろう…この感じ。


さっきまでしてた寒気が、嘘のように引いていて、胸の中が何だか熱い。