【完】君しかいらない

「ウチ、おいでよ。こんな状態で一人になんてさせられないし…。お母さんがさっきシチュー作ってたから、食べてしばらく寝てるといいよ」


頭の中で想像してた以上の言葉に、何だか妙に嬉しくなった。


他人の家でやっかいになるなんて嫌だって思う反面、愛梨ちゃんにこんな風に声をかけてもらって嬉しい自分がいる。


ヤバい…


俺、行っちゃいそーだ。






判断する間もなく、エレベーターは4階に到着。


愛梨ちゃんに押されるようにして、通路を進むと、陽斗のウチの一つで前で愛梨ちゃんが立ち止まった。


…そっか、陽斗んちの隣なんだよな。


愛梨ちゃんは家の扉を開けると、急いで家の中に入り、バスタオルを持って戻ってきた。


「ハイ、これで体拭いて…」


「…サンキュ」


こんな風に優しくされると、素直に受け入れたくなる。


それが愛梨ちゃんだから…尚更。