【完】君しかいらない

「いや…マジでいーから。ハンカチで拭ききれるようなモンじゃないし…」


「うん、そうだけど…。腕もすごく冷たくなってるよ?」


エレベーターが3階に到着したと思ったら、愛梨ちゃんはすぐに“閉”のボタンを押した。


「降りたいんだけど」


「奏太くん、家に帰っても誰もいないんだよね…」


「まぁ…でも別にそんなん慣れてるから」


愛梨ちゃんの体を押しのけて降りようとしたら、エレベーターの中に突き飛ばされた。


「ダメッ!!風邪を甘くみちゃダメなんだから。特に奏太くんなんて、不摂生してそうだし、こじらせて入院したらどうするの!?」


「大げさ…そんなヤワじゃねぇし。つーか、俺をどこに連れて行こうとしてんの?陽斗、今日は確か委員会があるって…」


いや、まさかな。


まさかそんなことは…。