【完】君しかいらない

「クマも返したことだし。春奈の反応が楽しみだなー。また喋ってくれねぇんじゃねーの?」


思い返せば1年前。


俺とは正反対で、女に興味のなかった陽斗が、突然彼女を作った。


陽斗と同じクラスにいたこともあって、前から春奈の存在だけは知ってたけどな?


無口でわかりにくい性格の陽斗に比べ、おしゃべりでちょっと気の強そうな元気な女。


なかなかお似合いなカップルだと思ってた。


「いっそその方が気楽かも…」


陽斗はボソッと呟くと、そのまま学校に向けて歩きだした。






そうだよなー…。


別れた理由が自分にあんのに、何で今も平気で話しかけてこれんのか。


あの女、きっと鋼の心臓だよな。


でなきゃ無神経?


俺なら絶対話しかけねーわ。


でもさ…。


ちゃんとそれに応じてる陽斗は…偉いよな。