【完】君しかいらない

仕方なくついて行き、奏太くんに言われるがまま、近くにあったベンチに座った。


「ハイ、愛梨ちゃんのアイス」


「えっ?何で?いいよ…」


「いーから、受け取って。ハイ、陽斗の分」


奏太くんはそう言いながら、安元くんにも同じアイスを渡していた。


安元くんは奏太くんからアイスを受け取ると、ベンチの端っこに座った。


「ウマいな~、俺アイス大好き」


なんて言いながら、奏太くんはあたしの前にしゃがむと、おいしそうにアイスを頬張る。


…あたし、何やってるんだろ。


アイスを手にしたまま固まってると、奏太くんがニッコリ笑いながら安元くんを指さした。


「今日さ、陽斗の誕生日なんだ。祝ってやって」


えっ、誕生日なの…?