【完】君しかいらない

家の人、もう帰って来てるよね。


チャイム鳴らしたら、びっくりされるかな…。


かといって安元くんのケータイ番号知らないし、直接かけて聞くこともできない。


…明日の朝、聞いてみようかな。


そう思ってたら、家の中から安元くんが出てきた。


「わぁっ!!!」


あたしが思わず大きな声を出すと同時に、安元くんはあたしの存在に気付き、ビクッと肩を震わせた。


「な…何してんだよ」


「何って…何か大きな音が聞こえたから…。どうかしたの?」


「…別に」


安元くんはあたしから顔を背けると、前を通り過ぎてエレベーターの方へ歩いて行く。