【完】君しかいらない

「奏太を…頼むな。アイツ、俺の数少ない中の一番の友達だから」





「う……ん」




あたしは、ずっと支えてくれていた奏太くんを裏切ることなんてできない。





それに、奏太くんとも付き合って、




安元くんのことも気になるなんて、




こんなの……




最低だ。




あたしが一番されたくないことを、




自分がしてしまっている……。










そこであたしは、ハッとした。




あたしは……あっくんと同じだ。




ここであたしがこうしてるところを、奏太くんに見られてたとしたら?




今も、あたしからの電話を楽しみに待ってくれているんだと思うと、




自分がしていることが、恥ずかしくなってきた。




「安元くん……ゴメンね。あたし、帰るね」




あたしがそう言うと、




安元くんは、優しく目を細める。





「……元気でな」




そして、あたしに手を差し出してくる。




あたしはその手を軽く取った。