【完】君しかいらない

「そっか~…彼女がいるんだ?」




安元くんはメールの返信をしているのか、少しの間だけケータイを操作したあと、ふと顔を上げた。





「ところでさ。奏太、元気?」




「いきなり話変わるんだね!?元気だよ。奏太くんが、メールの返事がないってボヤいてたよ?」




「だってアイツに返事すると、返事返ってくるし。面倒くせぇ」




「えーっ、なにそれ」




「毎回毎回、ノロケ聞かされる俺の身にもなれよ……」




ウンザリした顔を見せられ、思わず苦笑いしてしまう。












「奏太くん…どんなメール送ってくるの?」




「ん?今、俺は世界一の幸せ者です…ってな?ウザいだろ?」




「アハハ…それはウザいかも」




「だろ?だから離れたのにな~…メールでも妬けるとは思わなかった」




「……えっ?妬く!?」




「そ。ま、深くは聞くなよ?」




「どういう意味……?」




「だから、間違い起こすぞ?」




「ちょっと、余計わかんないよ!?」




「だからっ……」




安元くんは少し躊躇ったあと、




あたしの腕を、軽く掴んだ。