【完】君しかいらない

あたしは……大丈夫。




意味もなく、頭の中で繰り返す。




あたしが今、好きなのは……。




「ゴメン……コイツ、送ってくわ」





安元くんの口から出たのは、春奈を送って行くっていう言葉だった。















「そ…そーだね。うん、そうしてあげて」




なんだか少し、残念な気持ちのあたしがいるけど、




ううん……




これでよかったんだよね。




春奈はすっかり酔いが回ったみたいで、なんだか目が虚ろ。




「春奈をよろしくお願いします」




あたしは安元くんに、ペコリと頭を下げる。





「りょ~かい。小中は……ひとりでヘーキ?」




目を細め、優しい笑顔を向けられると




少しだけ胸が切なくなった。




あたしは……




この笑顔に、何度助けられたんだろう。




2年も経つのに、




昨日のことのように、あの日のことが蘇る。