【完】君しかいらない

「安元~!飲もうぜ!!」




「飲んでるっつの。お前ら人にすすめる前に、自分のグラス開けろ」




安元くんは男の子たちにビールを注いで、仕切りに飲ませ始める。





うわっ、みんな強いなぁ~。





グラスを一気に飲み干す子もいれば、中ジョッキをすぐに空にしちゃう子もいる。





そういうのを、あたしはただ見てるだけ。





そのうちみんな、一気に酔い潰れてしまった。












クラス会の帰り道。




今日は実家に泊まるっていう安元くんと、あたしと春奈は、




同じ方向ってこともあって、




卒業式のときのように、




また三人で帰っていた。





「安元くん、さすが~。飲んでも全然顔色変わらないね。やっぱり超人だぁ~」




「お前、それホメてんの?」




「うん、思いっきりホメてるよ」




「愛梨と陽斗はいっつもそーいうノリだよね。なんかあたし入る隙ないよ~」




酔っぱらった春奈が、安元くんとあたしの腕にしがみつきながらそう言うのを聞いて、




「そう言いながら、しっかり間に入ってんだろ。オラ、しっかり立てって。お前……重っ!!」




安元くんが、いつも通り悪態をつく。




春奈と安元くんだって、いいコンビだよ~。




あたしこそ、ふたりの間には入れないなっていつも思ってたもん。