【完】君しかいらない

「奏太くん、仕事は!?」




「今日は昼から。だからその前に愛梨に会いにきた」





そう言って、一目も憚らずにあたしにキスをする。





チュッと音をたて、離れていく唇。





「こらーーっ、奏太くん!!」





嬉しいけど、人前だし恥ずかしいから、とりあえず奏太くんをポカポカと叩く。






「ハハッ。そんな叩くなよ~。後ろ乗って。家まで送っていくから」





「せっかくなんだけど、今日は寄るところがあるんだよねぇ」





「え!マジで?どこどこ」





あたしの行くところには着いて行きたい!っていうタイプの奏太くんは、





目を輝かせてすり寄ってくる。




こーいう奏太くんが、かわいくって仕方がない。














「夕方から高校のクラス会なの。だから奏太くんは来れないよ?それに仕事でしょ?しっかり働いてきてね!」





高校生のときのあたしは奏太くんに頼りっぱなしだったけど、





大学生になって、ちょっとだけあたしもお姉さんになった。





たまにはこういう上から目線で物を言ったりすることもあるんだ~。