【完】君しかいらない

「諦めるって…振ったのは、奏太くんの方だよね!?あたし、どんなに辛かったか…」



「俺だって、あんな風にしたくなかった……だけどあぁしないと……俺は、愛梨ちゃんを守れなかった……」



あたしを…守る?



それは、どういうこと?



ドキドキと胸が高鳴る。



激しい鼓動に、自然と呼吸が浅くなる。











「奏太くん…?」



「去年の2学期の初日に……陽斗を襲ったヤツらを襲撃しようと思った…そしたら、逆に捕まって…」



「えっ…そうだったの!?だけど奏太くん、怪我もしてなかったよね」



「余裕でやっつけれたから、そのまま逃げようとしたんだけど…アイツら卑怯だからさ……」



奏太くんはあたしに顔を押し付けたまま、苦しそうに話す。
 


「俺が逃げても、俺の周りにいる人間をめちゃめちゃにするって言われて……」



「奏太くんの……?」



「そんなの……俺、愛梨ちゃんの顔しか浮かばなかった……アイツらを止めるには…ひとつしか、方法はないって思ったんだ」



「それが……高校に通わないことだったの……?そんなのなにか違うよ」



「そうじゃない……」