【完】君しかいらない

あたし、無理してなんかないよ?



なのに、この苦しい感じはなに…?



「じゃあ…無意識?お前、そーいうとき、早口になるんだって…」



「あたし、全然そんなじゃないよ!?」




言ってみて、気がついた。



いつもより、早口になってる。










「戻んなくて、いーの?」



それは、学校にってことだよね。



「あたし…戻らない」



だって…決めた。



あたしが今必要としてるのは…。



「奏太かも、しれないのに?」



「もう…いないよ…それに、会って…どうするの?」



「だけど…会いたいだろ?」



会いたい…



ずっと、封印していた気持ちを



こじ開けてしまうようなその言葉に、



鼓動が激しくなる。



「行かない…よ」




「行って…スッキリさせてこいよ」



「え…」



「この一年半で、ホントに吹っ切れたのか。

会えばよくわかるし、会えなきゃそれはそれで踏ん切りがつく」



そう言われたら、そうなのかもしれない。



今ではもう、奏太くんの夢を見ることもなくなった。



だけど、



友達の口から奏太くんの話題が出る度に、



胸が痛んでいたのも、事実。



信号が青になり、みんなが横断歩道を渡りはじめるけど、



あたしはその場から動けないでいた。