【完】君しかいらない

「卒業式なのに、誰にもカラオケ誘われなかったな。そーいや、俺…友達いなかったわ」



あたしのとなりで安元くんが、苦笑している。



「あたしや春奈は今日は家族と食事に行くし、また3月にみんなで会うことにしてるよ?

安元くんの周りもそうなんじゃないの?」



「いや…そんな声かけもなかったな」



「そうなんだぁー…じゃあ、ウチの家族と一緒に焼肉行っちゃう?安元くんも来るってわかったら、お母さん喜ぶよー」



「ハハッ、マジで?」



うん、安元くんと一緒に食事に行けるなんて嬉しいかも。



「うん、そうしよーよ…」



あたしは幸せな気持ちでいっぱいになって、安元くんを見た。



そしたら、安元くんは…



あたしを見て、



優しく笑っていた。











「無理してるとき…よく喋るの、お前のわかりやすいところだよな」



「えっ?あたし、別に無理してなんか……」



安元くんに指摘されて、



胸がギューっと苦しくなってくる。