【完】君しかいらない

「俺に……生きててくれて、本当によかったって言っただろ?」




それを言ったのは覚えてる。




「うん……」




「シンプルに考えると……そうだなって、思ってさ。

自分ばっかりツイてない気がしてたけど……これは、ゼロからスタートするいいチャンスだったのかなって思った」




「ゼロから……?」




「そ。兄貴とのことも、春奈とのことも全部クリアーにする。ごちゃごちゃ悩んでた自分をまっさらな状態に戻してさ」




「できた…の?」




「いや、まだ難しいけど……それでも、春奈への感情は…兄貴に対する嫉妬っていうか、そういうのが強かったんだってわかった」




「え……」




「確かに好きだったけど…もう、執着心に近いモンがあったかも。

だってさ、兄貴の元カノと付き合うって…どうかしてるって。普通の感覚してたら、絶対に付き合わないだろ?」