【完】君しかいらない

「どういうことなの?あたし奏太くんから、花火大会のときにデートしたぐらいにしか聞いてなくて」




「まぁ、色々あって。それと、入院中にさ…兄貴の本心を聞くことができた」




「お兄さんの…?」




「俺はいつも兄貴が悪いって思ってたけど、実は俺がそうさせてたんだよな…。なんだよ、全部俺のせいじゃん。

カッコつけてても、いつまでたっても俺はガキなんだなって思ったら、なんか一気にやる気がなくなって」




安元くんは力なく笑うと、またもう一つため息をつく。





あたしはなんて言っていいのかわからず、ジッと黙って話を聞いていた。












「入院中も…もう、なにもかもがどうでもよくなって。必死に勉強してたのだって、兄貴を見返すためだけだった。

だけどそれももう必要なくなって……退院して、学校行くのもダルいし、無気力になってたとき…お前に言われた言葉で、我にかえった」




「あたし…なにか言ったっけ?」




全然覚えてないよ?




安元くんと話したのだって、退院したあとはほとんど記憶にないし。