【完】君しかいらない

「ちょっと、いい?」




警戒されないように、笑顔で声をかける。




すると、蔦田司は少し顔を上げたあと黙って俯いた。




その代わり、となりにいたスレンダー美女が答えてくれた。




「なんか用?」




「そっちの子、俺のタイプなんだけどな~」




蔦田司を見るけど、一向に俺と視線を合わせようとしない。




「司がいいの?残念でした~、この子彼氏いるから」




「へ~、そうなんだ?それは残念……。ちょっとだけ、話したいんだけど…ダメかな」




とっておきの笑顔を見せると、スレンダー美女が気をきかせてくれた。



「司、あたし中にいるね」



おー、ラッキー!



気のきく女は、最高だね。



蔦田司は、鬱陶しそうに俺を一瞥すると、タバコを地面に落として高いヒールの靴で火を消した。