【完】君しかいらない

……ダメだな。



なにも考えない方がいいのかも。




「愛梨ちゃん…送ってく」




俺は立ちあがると、愛梨ちゃんの手を引っ張り立たせてやった。




愛梨ちゃんはなにも言わず、笑顔でただ頷くだけ。




ナナオの部屋を出て、マンションに向かう。














いつもはエレベーターの下までだけど、今日は愛梨ちゃんの家の前まで送り届けることにした。




別れるのが惜しくて、扉の前でしばらく会話をしたあと、




やっとのことで、帰る決心をする。




「また連絡するから」




「うん。何時でもいいからね」




笑顔で言う愛梨ちゃんを、ギュッと抱きしめた。




このまま……




ずっと、このまま…




俺の腕の中に閉じ込めておきたい。