【完】君しかいらない

「おっそーい」



エレベーターの先で、待ちくたびれている奏太くんを発見!



「ゴメンねぇ…遅刻しちゃうよね…」



あたしは急いで奏太くんの側に駆け寄る。



「遅刻は全然いーけどさ。愛梨ちゃんが先に行ったかと思って、焦ったって!

はぁ~、夢にまでみた愛梨ちゃんとの登校だからさ。ドキドキしてんの!」



「アハハ、そーなの?先に行くわけないから~」



「だよな。そう思ったんだけどさ。もしも…ってことも、あるからな?」



「大丈夫だよ。あたし、奏太くんに黙ってどっかに行ったりしないよ?」



「…うん、わかってる」





 

 

なぜだか、奏太くんは…



たまに、すごく寂しそうな顔をする。



それは…



過去の、あの奏太くんとダブるときがあるんだ。



もう…



5年以上も前のことなのに、




あの頃の奏太くんとは、別人になってしまったのに、




それでも、やっぱりたまにそういうときがある。