【完】君しかいらない

「蔦田司ってヤツ、知らない?」




「司?さぁ……」




通行人に聞いてもしょうがないってわかってるけど、聞いて損はないはず。




「ここのmusic catにたまに出没するらしくって。そっちのヤツも、もし知ってたら…」




「知らねーよ」





冷たくあしらわれ、結局なにも聞くことができなかった。




こんな方法じゃどうしようもないって思うけど、聞かずにはいられない。








さっきまでコンビニでタバコを買いに行っていたナナオが、ニヤニヤしながら聞いてくる。




「奏太~、お前誰探してんの?さっきすれ違った男が、ブツブツ言ってたぞ?司って誰?」




「蔦田司って女……お前が知るわけねぇよな~……」