【完】君しかいらない

ちょうどハマチが戻ってきたのを見計らって、俺はトイレに立った。


すれ違い様にハマチに話しかける。


「お前が好きそーな女、引っかけといたから。友達でも紹介してもらえば?」


「うぉ!チョー美人!!いいねぇ、さすが奏太!!」


ハマチはウホウホ言いながら、女に近づいていった。


あんな下心丸出しだから、警戒されんだよ……。


ま、それでもいいって女もたくさんいるんだけどさ。





クラブとは無縁の愛梨ちゃんのことを、ふと思いだす。


こんな異質な場所での快楽に身を委ねるんじゃなくて、


なんでもない日常の中で、普通のことを幸せに感じて楽しいって思える。


そんな愛梨ちゃんを、俺が好きになるなんて……


ハマチが聞いたら、きっとビビる。