【完】君しかいらない

「陽斗……今、病院だって……」



「え……どういうこと?」



「俺も……全然わかんねぇ……ちょ……待てよ。しまった……俺、浮かれてて…すっかり忘れてた……そうだ…」



奏太くんの顔が、みるみるうちに真っ青になっていく。



「どうしたの?ちょっと…奏太くん!?」



「今……電話に出たのは…多分、山田先生だと思う。陽斗の兄貴って言ってたし……。

で、陽斗…意識不明の重症で……とにかく、今は絶対安静で……それで……」



奏太くんの手が小刻みに震えている。



「安元くんが重症!?もしかして、事故にあったの!?」



「いや……そうじゃないらしくって……詳しいことは、また連絡するからって言われて
……。

だけど…俺、心当たりあんだよ」



「……え?」



「夏休みの……愛梨ちゃんを襲ったヤツ…アイツの仲間が、陽斗のこと狙うって話してたのに……。

なんだかタイミング悪くて、陽斗に伝えてなくて……そのまま忘れてた……どうしよう……俺のせいだ……」