【完】君しかいらない

「……ふうっ……」



緊張が解けて、ヘナヘナと足元に座りこむと、ニコニコ顔の奏太くんがあたしの側にしゃがんできた。



「かばってくれたんだ?」




「ちっ……違うもん!お母さん、そういうのうるさいから……」



「そういうのって?」



「その……えーと。清い交際を?みたいな……」



「はぁ?」



奏太くん、ポカンと口を開けてあたしを見てる。



「でも、出てったぜ?」



「それは……ゴキブリだから、一大事なわけで。っていうか、奏太くんのことはお兄ちゃんからも聞いて、信頼できるいい人だって、信じてるから……」



お兄ちゃんの家で何度も一緒に泊まったりしてるし、



今回、迎えに来てくれたことだって、お兄ちゃんから既に伝わってた。