【完】君しかいらない

「陽斗…上手いな。俺には描けない」



「たりめーだろ!兄ちゃん絵下手クソだもんな~。おまけにケンカも弱いし」



「だな…なんにもできない」



苦笑いする兄貴を見て、ウソついてんじゃねーよと思ってた。



俺が欲しかった言葉を、親からたくさんもらって…。



しかも、隣の家に住んでる…俺の好きな春奈まで…兄貴のことが好きだなんて。



なんでもできるのに、俺の前ではできないフリをする兄貴が、嫌いだった。



「さぁ…もう、帰ろうか」



「もっと遊ぶ!!」



「……しょうがないな。遅くなると、母さんに叱られるぞ?」



「兄ちゃんがココに連れてきたんだろ?怒られるのは兄ちゃんだ」



「そうだな…」