【完】君しかいらない

「お前もアイツを見習って、もっと頑張れよ?」

「しょうがないわね、陽斗は……どうしてこんなことができないの?」

「やっぱりお兄ちゃんはすごいわね!自慢の息子だわ」

「安元くんのお兄さん、学校で一番勉強ができるんだってね。羨ましー」





……ああ、やめてくれ。


なんでだよ……俺だって精一杯頑張ってる。


出来のいい兄貴を持って、一度だって、嬉しいことなんてなかった。


いつも比べられて、俺がどんなに頑張っても、誰も俺を見てくれない……。


「ゴメンね……陽斗。あたし、やっぱり……よくわからない」


春奈?


俺だって、そんなの知ってた。


わかってて……それでも、お前が好きだった……。


俺じゃ……ダメなんだろ?


それならハッキリそう言えよ。


思わせ振りな態度が、一番キツい。


それならいっそのこと、二度と話さないぐらいの勢いで、俺を振ってくれ……。