【完】君しかいらない

胸がドキドキと激しく鳴りだす。


なんだ……この胸騒ぎ。


落ち着けよ、俺らしくねぇな……。


「アイツら、あのクラブにあたしを連れこもうとしたんだけど、隙を見て逃げてきたの」


「そっか……とりあえず、早くココから抜けようぜ。話はそれからだ」


俺は司の腰に腕を回し、軽く引きよせる。


そしたら、司が俺の首の後ろに手を回し、甘えるようにぶら下がってきた。


「……おい、冗談よせって。さっさと行くぞ」


「……お願い……今……今すぐ、キスして?」


……いや、そんな場合じゃねぇから。


すぐに押しかえそうとしたけど、


俺の首にしがみつくようにしている司の腕が、小刻みに震えてるのが、ハッキリとわかった。


……なんで、こんなに震えてるんだ?