【完】君しかいらない

俺は礼を言って、手短に電話を切った。


すぐに携帯で検索する。



……出た。


“luxury space moon”



携帯片手にタクシーを呼び止め、飛び乗った。







ここから、そんなに遠くない。


ものの20分ほどで、埋め立て地に到着した。


辺りは、古い倉庫が立ちならび、人気もなくひっそりとしている。


クラブより少し手前で降ろしてもらい、暗闇の中を突き進むと、


“moon”という看板が見えてきた。


あった!!


この位置からは、月のマークが見えない。



てことは、もっと違う場所から司は見ていたはず……。


辺りには、何台か車が停まっている。


だけどエンジンのかかっている車は、その中に一台もなかった。


……どの車だ?


それとも……もう、ここにはいない?