【完】君しかいらない

「あっくん~っ!!」


あたしは咄嗟に、あっくんの名前を出した。……ホントに、無意識のうちに。


そしたら、ますます強く抱きしめられた。


「俺の前で、他の男の名前出すなんて、いい度胸してんね~」


「やめてっ……」


ガッ!!


勢いよく手を離そうとしたら、あたしの腕時計が、奏太くんのベルトのバックルに思いっきりぶつかった。


「うっ……」


奏太くんは少し腰を屈め、あたしを抱きしめていた腕をゆるめた。