【完】君しかいらない

「…俺、頑張るから」


「えっ?」


奏太くんは握りしめた手に、もう少しだけ力を入れた。


「今度は愛梨ちゃんが、俺のこと応援してよ。好きな子の…一番大切な人になれるようにって」


奏太くんの切ない表情を見たら、胸がギュッと痛くなった。



あたし……


あたしの今、一番大切な人。


それは……。









言葉が喉の奥まで出かかってる。


だけど…


簡単に口にしていいのかな。


あたし……


あっくんと別れたばっかりで、


だからって、そんな簡単に気持ちが変わるわけがない。


あたしが戸惑ってると、



奏太くんは握った手を、膝の上からゆっくりと座席に押しつけた。