【完】君しかいらない

小中、もうコッチに帰ってきたんだな。


ふと、花火大会の日の、辛そうな声を思いだす。


あのあと、どうなったんだろうな……。



「明日、そっちに帰るから……陽斗、できたら明日の夕方は、外に出ないでほしい」


「は?」


意味わかんねぇ。


奏太、なにが言いたい!?


しかも、帰るって…今どこにいんだよ。



「今日…愛梨ちゃんを、迎えに行ったんだ。なんとなく…今までより、いい感じでさ。

その、愛梨ちゃんって陽斗を頼りにしてるとこあるし、今日会ったら、俺…陽斗に負けそーだから」


いつも自信に満ちあふれた奏太が、なに言ってんだ?


しかも俺が、小中にしてやれることなんて、なんもねぇし……。


コイツは、なにをビビってんだか。



とてもじゃないけど、たくさんの女を泣かせてきたヤツの言葉だとは、思い難い。