【完】君しかいらない

そしたら奏太くんが、真面目な顔してあたしをジーッと見つめてくる。



……えっ、なに!?



「うわ……今のって、頷くところじゃなかった!?ごっ、ゴメンね……あたしちょっとボーっとしてて」



慌てて謝ると、奏太くんはふわりと優しく笑った。



「うん……それで、いーんじゃねーの?」



「えっ……どういう意味?」



「別にさ……俺に気遣って、無理に笑ったり……頑張ろうとしたり、そんなの、しなくていーよ」



「なっ……そんなことないよ!?あたし、ホントに今日はたくさん笑ったし、奏太くんと一緒にいれて、すごく楽しいの」



これは本音。



なのに、奏太くんは眉を少し下げて、首を横に振った。









「俺は……一緒に暗くなったり、落ち込んだりとか……してあげるタイプじゃねーから、

今日はとにかく、愛梨ちゃんに楽しんでもらおーって思ったけど……違うよな」



奏太くんの切なそうな表情に、胸がチクッと痛くなる。