【完】君しかいらない

「そんなことないよ…あたし、元気になった」


ちょっと無理して笑ってみようと思ったけど、意外にすんなり笑うことができた。


…もしかして、ホントに立ち直ってきてるのかも?



「そんな…ムリして笑うなって」


奏太くんも、あたしがムリしてると思ってるみたい。



「ううん。ムリしてないよ…今日…奏太くんが来てくれて…ホントによかった」



もしあのまままたマンションに戻ってても、


お兄ちゃんが帰ってくるまで、ずっと自分を責めて、納得しての繰り返しだったはず。



お兄ちゃんが帰って来たら話そうって思うのに、



実際にお兄ちゃんの顔を見ると、なにも言いだせなくなる……。









「俺は……愛梨ちゃんの側にずっといるよ」



奏太くんがあたしの手を、スッととった。