【完】君しかいらない

「電話じゃ…気持ちが、伝わらない」


――ドキッ。


いつになく、真剣な表情で見つめられ、思わず胸が高鳴った。


…電話でも、いつも奏太くんは、あたしの言いたいことを、ちゃんとキャッチしてくれてたよ?


それなのに…


どうして?


「愛梨ちゃんが悩んだり、困ったりしたとき…俺を一番に思い浮かべてよ」


…えっ。


奏太くんに手をとられ、なんだかドキドキしてくる。


「一番に…って、あっくんのこと…ずっと相談してたよ?奏太くんって、頼りになるし…」


「…陽斗より?」


「えっ!?どうしてここで安元くんが出てくるの!?」


「俺にとっちゃ重要なんだよ…この際、ハッキリしてもらおーか」


奏太くんはニッと笑って、握った手に少し力をこめる。