【完】君しかいらない

「おっ!アリの行進」


…へっ!?


突然、奏太くんの明るい声が聞こえてくる。







「おー。アリなんか、久々間近で見たな」


そんな…


こんなタイミングで、なんでアリの話題…?


「あ!愛梨ちゃんの足にのぼり始めた」


「ええっ!?」


虫とか嫌いだし、アリも同じ。


のぼったとか言われたら、焦って顔を上げた。



そしたら、優しい奏太くんの顔か、間近にあった。


「ウソ、ウソ。アリさんは、向こうに行った。一生懸命、なにかを運んでた」



「…もう、奏太くんってば…」


そういえば、初めて学校で会った日も…


あたしに虫がついてるとかって言って、


取ってくれたあとに、『虫さん、バイバイ』とかって、言ってたっけ……。