そして、本番。


 俺と小春は、勝負の舞台にたった。


 競馬場は、熱気と、怒号で、嵐のようにざわめいていた。


 その、うるさい音に包まれて。


 ゆっくりと、感覚が蘇って来る。


 今までの負け続きのカタツムリじゃねぇ。


 走れば勝利をモノにする『伝説の馬』の感覚だ。


 それが、ペガサスなのか、ユニコーンかは、判らないが。


 ……俺は、走る。


 そして、絶対、勝利をモノにしてやる!