俺は、誰よりも速く走るために生まれて来た。


 走ることは、俺のすべてだったし。


 誇りだった。


 だから、俺は、走ること以外に何も興味なんてなかったし。


 誰にも媚びない。


 従わない。


 けれども。


『俺』を速く走らせてくれるヤツなら別だ。


 俺の名は、ストラップスター。



 無敵の競走馬だ。