安藤くんの言葉を待つあたし。


「俺も、去年、あすみと同じようなことあった。

寺崎…遥香、わかる?」


「あぁ遥香…、」



「寺崎が誰かと電話で俺と付き合ったのはかっこいいから、飽きたら次──みたいなこと言ってたのたまたま聞いてさ。

そんなの良くないって、あすみが寺崎に言ってくれたの覚えてる?」


あぁ、あのとき。
あまりにも安藤くんに失礼だって思ったんだ。


「うん、覚えてる。」


「俺、あのことがあってからあすみのこと気になって、好きになったんだ。」


───え、好き?