「マジ?」

「うん…。」

「じゃあしかたねぇな…。また電話して?」

「うん…。」

「じゃあな亜香里。」

「うん…。バイバイ…。」



仕事…。



女…。



サヤ…。



ホテル?



同じホテル?



すべてに置いてイヤになってきた…。



「おいでココ…。」

「にゃ~♪」

「蓮司は浮気なんかしないよね?」

「にゃ…。」

「あたしはここで待ってていいんだよね?」

「…。」



ココは何も言わない。



猫だから…。



でも、誰かに聞いて欲しかった…。



蓮司…。



あたしだけ?



信じてるけど、苦しいよ…。



早く抱きしめて安心させて?



さっきの人はただの仕事の関係の人だ。



蓮司は浮気なんてしない。



蓮司は浮気なんて…。



何度も自分にそう言い聞かせて何とかさっきの声を忘れようとした。