「お姉さんはさ、強い男が好きなの? じゃ、貴族なんて全然駄目じゃない」
「そうだな。権力者などに興味はない。大体貴族なんぞ、やたらと顔を白く塗ったり歌ばっかり詠んだり、全く男らしくないじゃないか。もっと荒っぽくても良いんじゃないか」
ひらひらと手を振り、呉羽はけらけらと笑う。
烏丸は、ふと顔を上げた。
ちらりと背を向けているそはや丸を見る。
「・・・・・・お姉さん、お姉さんの好みって、まるでそはや丸じゃない?」
ぴく、とそはや丸は身体を硬くした。
今呉羽は、どんな表情をしているのだろう。
見てみたいが、逆に己の表情は見られたくない。
自分がどんな顔をしているのかはわからないが、きっと動揺しているのが現れているだろう。
そはや丸は、ぎゅっと拳を握りしめた。
呉羽は主だ。
それ以外の何者でもない、と言い聞かせる。
「そはや丸は強いじゃない。人型のまんまでも、あのおっきな鬼に立ち向かってたよね」
「ああ、でもあれは、高丸の正体を知ってたからってのも、あると思うぞ。そんなこと知らない私からしたら、さっさと刀になってくれないと、こっちの身が危ういから、迷惑なだけだ」
勝手なんだよなぁ、と笑う呉羽を、なおも烏丸は見つめた。
迷惑だ、と言うわりに、呉羽は嫌な顔一つしない。
「そはや丸は、ずぅっとお姉さんの相棒だものね。そりゃ信頼もするか・・・・・・」
諦めたように言い、烏丸はぺたんとその場に蹲った。
「そうだな。権力者などに興味はない。大体貴族なんぞ、やたらと顔を白く塗ったり歌ばっかり詠んだり、全く男らしくないじゃないか。もっと荒っぽくても良いんじゃないか」
ひらひらと手を振り、呉羽はけらけらと笑う。
烏丸は、ふと顔を上げた。
ちらりと背を向けているそはや丸を見る。
「・・・・・・お姉さん、お姉さんの好みって、まるでそはや丸じゃない?」
ぴく、とそはや丸は身体を硬くした。
今呉羽は、どんな表情をしているのだろう。
見てみたいが、逆に己の表情は見られたくない。
自分がどんな顔をしているのかはわからないが、きっと動揺しているのが現れているだろう。
そはや丸は、ぎゅっと拳を握りしめた。
呉羽は主だ。
それ以外の何者でもない、と言い聞かせる。
「そはや丸は強いじゃない。人型のまんまでも、あのおっきな鬼に立ち向かってたよね」
「ああ、でもあれは、高丸の正体を知ってたからってのも、あると思うぞ。そんなこと知らない私からしたら、さっさと刀になってくれないと、こっちの身が危ういから、迷惑なだけだ」
勝手なんだよなぁ、と笑う呉羽を、なおも烏丸は見つめた。
迷惑だ、と言うわりに、呉羽は嫌な顔一つしない。
「そはや丸は、ずぅっとお姉さんの相棒だものね。そりゃ信頼もするか・・・・・・」
諦めたように言い、烏丸はぺたんとその場に蹲った。


